マイクロスライド I ルアー 3D

µ-Slide I Luer 3D

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よくあるご質問28件

流路に3D培養⽤ゲルマトリクスを⼊れるためのウェルを備え、3Dゲルマトリクス上の細胞に対し、シェアストレスを与えることを目的に開発されたマイクロスライド

特長

  • 流路(チャネル)に3D培養⽤ゲルマトリクスを⼊れるためのウェルを3つ装備したスライド
  • ibidiポンプシステム等に接続して培地を流し、ゲルマトリクス上の細胞に対しシェアストレスを与えるために使用
  • ibidiポンプ内蔵プログラム対応製品。ibidiポンプシステムに接続した場合、数値を⼊⼒するだけで、特定のシェアストレスを与える事が可能
  • ⼈⼯フィルターや膜を使⽤せずに、内⽪バリアを模したin vitro実験系作成に応用可能

<詳細>

  • 簡単操作設計:ゲル作成~細胞播種の作業はオープンウェルの状態で行うことが可能
  • 高さ0.6 mm のチャネルは、広範囲のシェアストレスに対応可能
  • メニスカスによるゲルの歪みを生じにくいウェル構造を有し、顕微鏡観察の際、一視野でフォーカスできる範囲を広く取ることが可能
  • 様々な細胞外マトリクス用ハイドロゲルを使⽤可能(例:コラーゲンタイプ I、マトリゲル、フィブリノーゲン)
  • 製品には、ibidiポンプシステム等に接続するためのチューブとルアーアダプターが含まれる。
  • 流路の上面側・底面側共にibidiポリマーカバースリップで構成されており、倒立・正立顕微鏡のいずれもによる顕微鏡観察と共に、作動距離の短い対物レンズが使用可能

µ-Slide I Luer 3Dの原理

µ-Slide I Luer 3Dは、1スライドの上に1つのチャネルがあり、このチャネルはibidiポンプシステム等の送液装置に接続することで流路として使用できる構造になっています。

チャネル内には3Dゲルマトリックスを作るための3つのウェルが備わっており、そのゲル表面で特定の流速やシェアストレスを与えながら細胞培養することができます。また、スライド中央部はカバースリップで出来ており、灌流培養中の細胞を高倍率の対物レンズを使用して顕微鏡観察することが可能です。

 

µ-Slide I Luer 3Dを用いれば、in vivoに極めて近い細胞単層膜を、人工的なフィルターやメンブレンを使⽤することなくゲルマトリックス上に作成できます。

例えば、内⽪細胞を使⽤することで、⾎管シミュレーションとして用いることが可能です。

 

 


 

µ-Slide I Luer 3Dの構造および使用方法

オープンウェルフォーマットとなっており、ゲルを挿入する際に取り扱いが簡単な構造となっています。
 

 

 

アプリケーション例

幅広い細胞培養アプリケーションに適したµ-Slide I Luer 3D

µ-Slide I Luer 3Dは、3Dゲルマトリックスとシェアストレスを使用した多種多様な細胞培養向けのアプリケーションに使用できます。

  • ゲルマトリックス上における細胞単層膜作成
  • 細胞極性実験(ゲルマトリクスに接する面とシェアストレスにさらされる面の比較)
  • ゲルマトリクス中での細胞培養
  • ゲル濃度、強度、組成等を変えた、様々な条件における培養

 

 コラーゲンタイプ I ゲル内で培養したHUVEC細胞

灌流培養5日後(10 dyn /cm²)、細胞を固定し、DAPIで染色

観察には、位相差および広視野蛍光顕微鏡(対物レンズ4倍)を使用

 

3つのウェルを利用したさらなるアプリケーション例

  • 3つのウェルそれぞれで、異なるゲルマトリックスを使用する。または異なる濃度のマトリックスを使用する。
  • 細胞を、ゲル上に播種したり、単⼀細胞や細胞塊をゲルに埋め込んで使用する等、ウェルごとで異なる細胞環境を与える。
  • ゲルマトリックス上の細胞単層膜に様々な値のシェアストレスを与える。

等、アイデア次第で様々な使い方が可能です。

用途

ibidi 社R&Dチームまたはお客様によってテストされた使用事例

 

人工膜を使用しない内皮バリアの作成

µ-Slide I Luer 3Dを使用すると、人工的なフィルター膜を必要としない内皮バリアを作成できます。
例えば、内皮細胞をラットテール由来コラーゲンタイプ Iなどの適切なゲルマトリックスに播種した後に、シェアストレスを与えた場合、より血管内皮に近いバリアが作成できます。
このように構築した系は、既存のハードフィルターメンブレンを使用する血管バリアモデルに代わり、柔らかいゲルマトリックス上に作成した新しいモデル系としてご使用いただけます。


ibidi µ-Slide I Luer3Dを使用した
ゲルマトリックス上の細胞培養

メンブレン上の細胞培養
HUVEC、コラーゲンタイプI、およびibidiポンプシステムを使用したアプリケーションノート60をご参照ください。

 

ラットテール由来コラーゲンタイプ I(2 mg / mL)上で、HUVEC細胞に10 dyn /cm²のフローを与えながら、2日間(左)および5日間(右)培養した結果
流動下で5日間培養した結果、細胞形態変化が観察されています(対物レンズ20倍使用) 。

ラットテール由来コラーゲンタイプ I

(2 mg / mL)上で10 dyn /cm²のフロー下、5日間培養したHUVECの蛍光顕微鏡観察結果
⾚:α-チューブリンの免疫染色使用

緑:F-アクチン、ファロイジン使用

⻘:核、DAPI使用

 

細胞極性

ハイドロゲルに作成した細胞単層膜に対し培地を流すと、 ゲルマトリクスに接する面とシェアストレスにさらされる面ができ、細胞に極性が生じます。
µ-Slide I Luer 3Dは、様々なゲルマトリックスと互換性があるため、細胞内皮だけではなく、上皮細胞を用いるなど、多様な細胞極性実験に適用可能です。


ibidi µ-Slide I Luer3Dを使用した
ゲルマトリックス上の細胞培養

 

期待される使用方法

次の例は、さらに潜在的な製品の使用法になります。

※技術的に可能と考えられるアプリケーションです。ibidi社ではこれらのアプリケーションに関する特定のプロトコルを提供することはできません。


細胞および組織の3D培養
µ-Slide I Luer 3Dを使⽤し、単一細胞や細胞塊をハイドロゲルマトリックス内へ播種して培養。
オプションとして、シェアストレスを上部の細胞単層膜に与える。  

>3Dゲルマトリックスに埋め込まれたスフェロイド(左)または単一セル(右)


ローリングアドへジョンアッセイ、浸潤アッセイ

管腔側に作成した内皮細胞層上や、3Dゲルマトリックスに埋め込んだ標的癌細胞上で、浮遊細胞を灌流させる実験。
オプションとして、シェアストレスを上部の細胞単層膜に与える。

内皮細胞層と浮遊細胞の共培養を使用したローリングアドへジョンアッセイ(左)

オプションとして、細胞外マトリックス内に標的癌細胞を播種した例(右)

細胞単層膜作成のための製品選択ガイド:µ-Slide ibiPore SiNとの比較

  µ-スライド I ルアー 3D µ-Slide ibiPore SiN

特性
原理 ゲルによる区分け メンブレンによる区分け
培養底面 ソフトハイドロゲル(コラーゲンやマトリゲルなど) 異なる孔径を持つ硬質膜
顕微鏡観察 使用するゲルの光学物性による制限あり 特に制限なし
灌流培養 ゲル上を灌流可能 下部チャンネルにて灌流可能

仕様

 

外寸(幅×長さ) 25.5 x 75.5 mm²
ウェル数 3
ウェル容量 16 µL
ウェル寸法 5.4 mm x 4.0 mm
ウェル高(チャネル部分を除く) 0.8 mm
ウェルの培養面積 0.21 cm²
ウェルのコーティング面積 0.34 cm²
チャネル幅 5.0 mm
チャネル容量(ウェル部分を除く) 150 µL
チャネル高(ウェル部分を除く) 0.6 mm
アダプター Female Luer
リザーバー容量 60 µL
表面 ibidiポリマーカバースリップ
底面 ibidiポリマーカバースリップ

 

ご使用いただくオイルについて

【対物レンズ用の油浸オイル】

ibidi社で実際に適合が確認されているオイルをご使用ください。

(英語) https://ibidi.com/content/551-immersion-oils-compatible-with-ibidi-labware-products

ibidi社純正品:イマージョンオイル

 

*注意*
適合していないオイルをご使用の場合、プラスチックの接触部分がが白濁したり、脆くなったりする場合があります。

 

 

【培地蒸発防止用の重層用オイル】
ibidi ポリマーはミネラルオイルは適合しておりません。

培養培地にオイル重層される場合は、下記シリコーンオイルをご使用ください。

 

*注意*

適合していないオイルをご使用の場合、プラスチックの接触部分がが白濁したり、脆くなったりします。

(条件により、変化が見られるまでに数時間~数日の時間差が生じる場合がございます。)

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