お知らせ
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2023年2月15日
- その他
- CatNo.:
- ib81501 / ib81506 / ib81507 / ib89646
特長
- ゲル表面がフラットに作製できるので広いエリア(φ4 mm)できれいに観察が可能
- 1ウェルあたりのゲルマトリクス量はたったの10 µLでコスト削減
- マルチチャンネルピペットで分注ができ、簡単操作で15ウェルの同時観察が可能
- 底面のカバースリップは、 ibidiポリマーボトムとガラスボトムの2種類より選択可能 → 高倍率顕微鏡観察対応
※培養⽤ゲルマトリクスは製品に含まれません。別途ご⽤意ください。
構造
ゲル界面のメニスカス形成を回避できる“内部ウェル”
µ-Slide 15 Well 3Dのゲルマトリックスを入れる部分は底面の一部に限られるため、1ウェルあたり10 µLのゲルしか必要としません。
このため高価なゲルの使用を削減することができます。
加えて、この内部ウェルで作成したゲルの界面はメニスカスの影響を受けません。
このため、顕微鏡の同一平面に捉えることができるエリアが広く、新生血管のような細い管構造などを観察するのに最適です。
(左)µ-Slide 15 Well 3D: 平らなゲル表⾯で広いエリアできれいに観察できます。
(右)⼀般的な観察容器: メニスカスの影響によりゲルが歪みます。このような場合、顕微鏡観察すると、周辺の対象にはピントが合いません。
使用事例
(血管新生)チューブ形成アッセイ
µ-Slide 15 Well 3D/µ-Plate 96 Well 3Dで作成したゲル上でHUVEC細胞を播種すると新⽣血管評価(チューブ形成アッセイ)に使⽤できます。
µ-Slide 15 Well 3D でマトリゲル®上でHUVECを播種し12時間培養した様子。血管形成したHUVEC位相差顕微鏡画像(左)
HUVECの位相差顕微鏡画像(右上)および蛍光顕微鏡観察画像。緑:F-actin、⻘:核
スプラウトアッセイ
µ-Slide 15 Well 3D/µ-Plate 96 Well 3Dは、新生血管の内皮細胞からの発芽 (スプラウティング・sprouting)のような 、細胞群の発芽ポテンシャル解析にも使用できます。方法は、スフェロイドまたは組織⽚(例:⼤動脈のもの)を作成した3Dゲルマトリクスに置くだけ、大変簡便に実験系を組むことができます。
3Dセルカルチャー
µ-Slide 15 Well 3D/µ-Plate 96 Well 3Dの内部ウェルは、容器の総量に対する3Dゲル使用量が小さいため、ゲル使用量を抑制でき、3Dゲル培養において費⽤対効果の⾼いソリューションとなります。また、ゲルに対して培地の容量が大きく、物質の滞りが少ない3D培養環境を提供できることもメリットになります。
このような特徴を活かしながら、多様な使用方法が考えられ、3Dゲルマトリクスの内部に播種して使用できる(下図左)ことはもちろん、上部での培養や、それらを併せた共培養実験(下図中)などにも使用できます。
また、内部ウェルに作成したゲル状に細胞を播種した後に、異なる3Dゲルマトリックスを付与すれば、異なる基質の間でサンドイッチ培養しながら細胞を生育することにも使用できます。
この他にも、底面がカバースリップであることを活かし、血球やバクテリアなど浮遊細胞をゲルマトリクスで固定化し、顕微鏡観察のアクセスを向上させることなどにも活用できます。
免疫蛍光染色
ゲル内部やゲル上培養した細胞は、免疫蛍光染⾊し、解析することにも使用できます。
線維芽細胞の移動評価(上図左)。アクチン(緑)、増殖細胞(赤,EdU)、核(青,DAPI)。図中左の細胞は、分裂しながら、リーディングエッジを形成し移動の方向が推測できる。Zeiss LSM 880共焦点顕微鏡(Airyscan搭載)使用。
提供:Ambra Cappelletto, Andrea Colliva, Cardiovascular Biology Group, International Centre for Genetic Engineering and Biotechnology (ICGEB), Trieste, Italy.
Beta III tubulinの染色を行ったマウス胚性後根神経節(上図右)。IN Cell Investigator(GE Healthcare, United Kingdom)搭載Cell Analyzer 2000を使用
提供:Estrella Do Céu Neto, i3S - Instituto de Investigação e Inovação em Saúde / INEB-Instituto de Engenharia Biomédica, Universitx of Porto, Porto, Portugal.
細胞の集積/細胞凝集体作製
µ-Slide 15 Well 3D/µ-Plate 96 Well 3Dの内側ウェルに充填するゲルが10 µL以下の場合、ゲル表面は凹型になります。このため、細胞をゲル中心部に集積させることや、スフェロイドを作成するために用いることもできます。
顕微鏡チャンバー
µ-Slide 15 Well 3D/µ-Plate 96 Well 3Dは、ゲルを使⽤せず、ローボリュームの顕微鏡チャンバーとしても使⽤できます。底面のカバースリップはibidiポリマー製(#1.5)とガラス製(#1.5H)の2種類選択でき、高倍率の顕微鏡観察用途にも対応できます。
ibidi社 採用文献検索ページ
(下記アドレスより、ibidi社製品の採用文献の検索が可能です)
http://www.ibidi.com/module/ibidireference/reference
仕様
Cat.No. | ib81506、ib81501 | ib81507 |
---|---|---|
外寸(W×L) | 25.5×75.5 mm² | |
ウェル数 | 15 | |
ウェルの容量 | 10 µL(内部ウェル)/50 µL(外部ウェル) | |
ウェルの内径 | 4 mm(内部ウェル)/5 mm(外部ウェル) | |
ウェルの高さ | 0.8 mm(内部ウェル) | |
培養エリア | 0.125 cm²(内部ウェル) | |
コーティング面積 | 0.23 cm² ※10 µL使用時 | |
底面 | ibidiポリマーカバースリップ (ibidi社に遷移します) |
ガラスカバースリップ No. 1.5H selected quality, 170 µm +/- 5 µm |
ibidiポリマーボトムでご使用いただくオイルについて
【対物レンズ用の油浸オイル】
底面がibidiポリマーの製品では、ibidi社で実際に適合が確認されているオイルをご使⽤ください。
ガラスボトムは使用できる油浸オイルに制限はありません。
(英語) https://ibidi.com/content/551-immersion-oils-compatible-with-ibidi-labware-products
ibidi社純正品:イマージョンオイル
*注意*
適合していないオイルをご使用の場合、プラスチックの接触部分がが白濁したり、脆くなったりする場合があります。
【培地蒸発防止用の重層用オイル】
底面がibidi ポリマーの製品はミネラルオイルは適合しておりません。
オイル重層される場合には、ガラスカバースリップボトムの製品を使用するか、下記シリコーンオイルをご使⽤ください。
- ibidi Anti-Evaporation Oil #50051 (ibidi社のページへ移動します。)
- シリコーンオイルAR 200 #85419 (シグマ アルドリッチ ジャパン株式会社のページへ移動します。)
*注意*
適合していないオイルをご使用の場合、プラスチックの接触部分がが白濁したり、脆くなったりします。
(条件により、変化が見られるまでに数時間~数日の時間差が生じる場合がございます。)