トランスクリプター リバーストランスクリプターゼ
Transcriptor Reverse Transcriptase
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E. coliで発現させた新規のリコンビナント酵素(RT)
特長
- 容量活性は20 units/uLで、酵素は保存バッファー中で供給
- 5倍濃度の反応バッファーが酵素と共に供給
- E. coliで発現させた新規のリコンビナント酵素(RT)
- 酵素はRNA依存性DNAポリメラーゼ、DNA依存性DNAポリメラーゼ、巻き戻し活性、そして重要なRNase H活性を示す
- 一本鎖DNAとRNA分子は共にプライマーの存在下で、テンプレートとして受容される
- トランスクリプターの特別なリコンビナント構造により、その酵素活性は様々な利点がある
- RNAの高感度検出:
1ステップRT-PCRで、わずか1 pgのトータルRNAや100 fgのmRNAが検出可能(Expand ハイフィディリティPCRシステムとの組み合わせ)
2ステップRT-PCRで、わずか100 pgのトータルRNAが検出可能(ファストスタート ハイフィディリティPCRシステムとの組み合わせ) - 14 kbまでのmRNAの逆転写
- GC-リッチのRNAテンプレートのRT-PCR
- 高い熱安定性(65℃まで)による、強い二次構造を持つGC-リッチRNAの逆転写
- ライトサイクラーとの組み合わせで、108レンジ以上のRNAの直線定量が強い蛍光強度で得られる
背景
トランスクリプターリバーストランスクリプターゼは、E. coliで発現させた新規のリコンビナント酵素(RT)です。酵素はRNA依存性DNAポリメラーゼ、DNA依存性DNAポリメラーゼ、巻き戻し活性、そして重要なRNase H活性を示します。一本鎖DNAとRNA分子は共にプライマーの存在下で、テンプレートとして受容されます。
トランスクリプターの特別なリコンビナント構造により、その酵素活性は様々な利点を持ちます。
- RNAの高感度検出:1ステップRT-PCRで、わずか1 pgのトータルRNAや100 fgのmRNAが検出できます。(Expand ハイフィディリティPCRシステムとの組み合わせ)2ステップRT-PCRで、わずか100 pgのトータルRNAが検出できます。(ファストスタートハイフィディリティPCRシステムとの組み合わせ)
- 14 kbまでのmRNAの逆転写
- GC-リッチのRNAテンプレートのRT-PCR
- その高い熱安定性(65℃まで)による、強い二次構造を持つGC-リッチRNAの逆転写
トランスクリプターはまた、ライトサイクラーとの組み合わせで、素晴らしい結果を与えます。108レンジ以上のRNAの直線定量が、強い蛍光強度で得られます。
アプリケーション
トランスクリプターは、従来のサーマルサイクラーやライトサイクラーなどを使用して、様々な由来からのRNA(mRNA、トータルRNA、ウイルスRNA、 in vitro転写RNA)を逆転写するために選択される製品で次のアプリケーションに適します。
- その後の増幅反応に使用されるファーストストランドcDNAの合成
- GC-リッチRNAテンプレートのRT-PCR
- cDNA合成間でのCy3、Cy5、アミノアリル、DIG、ビオチンの標識
- RACE法によるmRNAの5'および3'末端の回復とクローニング
- 巨大インサートのcDNAライブラリーの作成
- ジデオキシシークェンシング
- RNAシークェンシング
- DNAフラグメントの3'-末端ラベル
- ゲノムフットプリント用の1本鎖プローブの作成
機能試験
トランスクリプターの各ロットはRT-PCRで機能試験済みです。品質管理はルーチン的に以下の方法で行われます。
- 従来のサーマルサイクラーにより、ヒト骨格筋のトータルRNAからヒトジストロフィンの9,556 bpのフラグメントを検出。
- ライトサイクラーにより、5×102から5×106コピーのヒトの転写PBGDRNAを検出。結果は、固定クロッシングポイントと固定蛍光強度により定義。
図1. 2ステップRT-PCRでの感度
様々な量のマウス肝臓トータルRNAが20μlの反応液中、oligo(dT)プライミングとトランスクリプターリバーストランスクリプターゼを使用して、逆転写された。5μlのRT反応液をマウスβ-アクチン遺伝子の324 bpの増幅に使用された。新規のファストスタートHiFi酵素ブレンドをPCRの構成分として使用した。
レーン1:50 ngのマウス肝臓トータルRNA
レーン2:25 ngのマウス肝臓トータルRNA
レーン3:10 ngのマウス肝臓トータルRNA
レーン4:5 ngのマウス肝臓トータルRNA
レーン5:1 ngのマウス肝臓トータルRNA
レーン6:500 pgのマウス肝臓トータルRNA
レーン7:250 pgのマウス肝臓トータルRNA
レーン8:100 pgのマウス肝臓トータルRNA
レーン9:0 pgのマウス肝臓トータルRNAすべての反応は2回行われた
図2. PCR成分としてエキスパンドハイフィデリティ酵素ブレンドを使用した2 kbジストロフィンRNAフラグメントの1ステップRT-PCRでの感度(トランスクリプターと他のリバーストランスクリプターゼの比較)
トランスクリプターリバーストランスクリプターゼが最高の感度を達成した。
図3. 65℃までのトランスクリプターリバーストランスクリプターゼの使用による難しいRNAテンプレートの克服
ヒト28SリボゾーマルRNAの4.9 kbフラグメント(GC含量:70%)を逆転写するために、55℃、60℃、65℃でトランスクリプターリバーストランスクリプターゼと他のリバーストランスクリプターゼを特異的プライマーと共に使用した2ステップRT-PCRの間、ファストスタートDNAポリメラーゼとGC-RICHレゾリューション溶液を従来のサーマルサイクラーでの389 bpフラグメントを増幅するために使用した。その高い熱安定性のため、トランスクリプターリバーストランスクリプターゼは65℃まで使用できた。GC-リッチテンプレートを逆転写し増幅するために、ファストスタートDNAポリメラーゼとの組み合わせが選択される。
レーン1:トランスクリプターリバーストランスクリプターゼ
レーン2:サプライヤーAのRNase H- MuLV
レーン3:サプライヤーAのRNase H- AMV
図4. 概要
図5. トランスクリプターリバーストランスクリプターゼによる高感度で高収量なRTPCRでの14-kbまでの完全長転写産物の作成
もっとも長い真核細胞のmRNAの一つである、ヒトジストロフィン遺伝子の1.4 kbのmRNAを生成するために、様々な量のヒト骨格筋トータルRNAをトランスクリプターリバーストランスクリプターゼと他のリバーストランスクリプターゼを使用し、oligo(dT)プライマーを介して20μlの反応液中で逆転写した。次のPCR(図4)で、ファストスタートDNAポリメラーゼを使用して1.9 kbフラグメントを増幅するために、2μlのRT反応液を使用した。PCRプライマーはmRNAの5'-末端付近に位置するため、完全長の14-kb mRNAが完全に転写されたときにのみ、PCR産物(図5)は作成できる。
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