
シングルセルアレイに適したサイズの細胞接着用マイクロパターンが刻まれたマイクロスライド。
特長

マイクロパターニングテクノロジーの原理
ibidiポリマーカバースリップに対し、ibidi独自の技術で細胞⾮接着性加工したものを、バイオイナート表⾯と呼んでいます。このバイオイナートは、⼀般的な超低付着(ULA:Ultra-Low Attachment)表⾯よりも優れた細胞⾮接着性を有しています。このバイオイナート表面に対し、フィブロネクチンの結合モチーフであるトリペプチドArg-Gly-Asp (Arginine, Glycine, Aspartate/ RGD)を共有結合させることにより、ごく小さい細胞接着パターンを刻む技術がibidiマイクロパターニングテクノロジーです。これにより、空間的に定義された細胞アレイを可能にします。
マイクロパターニングについて
- 極めて安定で、数⽇から数週間の⻑期培養でも効果が持続します。
- ibidiポリマーカバースリップ、バイオイナート表面の持つ光学性能を妨げず、高解像度顕微鏡観察に適合します。
- 蛍光観察画像や位相差顕微鏡観察画像に映らず、顕微鏡観察の邪魔になりません。
-
乾燥安定性があり、スライド表⾯は乾燥しています。

RGDパターン上で育つ細胞は?
マイクロパターニングに使用されているRGDトリペプチドは、細胞外マトリックスタンパク質であるフィブロネクチンに由来する配列です。フィブロネクチンは、このトリペプチド配列を介して、多くの種類の細胞(例えば、がん細胞)の細胞外マトリクスへの接着を媒介しています。このため、フィブロネクチン上で成⻑する細胞は、高確率でマイクロパターンに接着します。一方、フィブロネクチンやRGD上では増殖しない細胞は、うまく接着しない可能性もあります。
このために、ご使用する際には、まずトライアルパック (CatNo.ib83601S) をご購入いただき、ご使用予定の細胞が接着できるかご確認されることを推奨いたします。
<接着事例が確認されている細胞>
- A549 (ヒト肺癌)
- NIH-3T3 (マウス線維芽細胞)
-
MC3T3-E1(マウス骨芽細胞様細胞)
- BEAS-2B (ヒト肺上皮細胞)
- CHO (チャイニーズハムスター卵巣)
- NCI-H441(ヒト肺腺癌)
- HEK-293 (ヒト胚性腎臓)
- HeLa (ヒト子宮頸部癌)
- HT-1080 (ヒト繊維肉腫)
- HuH-7 (ヒト肝癌)
- L929 (マウス繊維芽細胞)
- MCF-10A (ヒト乳房上皮細胞)
- MDA-MB-231 (ヒト乳癌)
- MDA-MB-436 (ヒト乳癌)
- MDCK.2 (イヌ腎臓細胞)
- RCC-26 (ヒト腎細胞癌)
- ARPE-19 (ヒト網膜色素上皮細胞)
アプリケーション
細胞1つ1つは、遺伝学的およびプロテオミクスの点において⼤きく異なり、結果として、その⼤きさ、形態、細胞周期、代謝などに違いが⽣じることがあります。このような違いを調べることは、(がんの発⽣のメカニズムなどの)多くの⽣物学的プロセスをより深く理解するための鍵になります。しかしながら、多数の細胞の中より、単一の細胞を識別して分析することには手間のかかる作業を伴います。シングルセルアレイ用マイクロパターンスライドは、一定間隔で単一細胞を配置することができるため、シングルセルを簡便に識別するための新たなツールとして活躍します。
- ライブセルイ蛍光イメージングを使用したシングルセルアッセイ
- 免疫蛍光染色など、固定を伴うシングルセルアッセイ
- シングルセル顕微鏡観察と、トランスフェクション、プロテオミクス、代謝活性試験などの併用
- トライアルパック (CatNo.ib83601S) を使⽤した、RGD結合モチーフへの細胞タイプの付着テスト
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