1. 免疫蛍光染色の原理

免疫蛍光染色(IF)は、顕微鏡による細胞構造および細胞挙動を観察するための強力なアプローチです。特定のタンパク質の発現および局在を評価することができ、多くの細胞生物学的疑問を解決できるため、免疫蛍光染色は現代の生命科学にとって不可欠なものになっています。
免疫蛍光染色は、大きくわけると、以下の二つのステップにわかれます。
  1. 1.抗体を目的のタンパク質に結合させる。
  2. 2.抗体を結合させた免疫複合体に対し、蛍光色素で標識し、目的のタンパク質を顕微鏡で可視化する。
カバースリップ・ボトム 内皮細胞(HUVEC)におけるフォン・ヴィレブランド因子(vWF)の免疫蛍光染色。アクチンはファロイジン(緑)を用いて染色し、核はDAPI(青)で染色した。

免疫染色方法は、直接免疫蛍光法と間接的免疫蛍光法に区別されます。直接免疫蛍光法では、一次抗体に蛍光標識された抗体を使用する方法で、扱いやすく迅速に視覚化することができます。間接免疫蛍光法では、一次抗体に特異的に結合する蛍光標識二次抗体を使用する方法です。

二次免疫蛍光法は直接免疫蛍光法よりも時間がかかりますが、二次抗体は、一次抗体として使用する抗体の種類を変えることで、様々な抗原に対して使用できるため、免疫染色にかかるコストを削減することができるなどの利点があります。
1つのサンプル中で、複数のタンパク質を、同時に検出する多色免疫蛍光法を行う場合には、複数の一次抗体と各一次抗体特異的な二次抗体を組み合わせることで可能です。

直接免疫蛍光法
直接免疫蛍光法
間接免疫蛍光法
間接免疫蛍光法
直接免疫蛍光法と間接免疫蛍光法の原理
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