2. 多様なibidiマイクロスライド底面

実験系に最適な底面を
みつける

細胞の増殖、分化、シグナル伝達などは、細胞培養面と密接な関係にあります。
ibidiでは、さまざまな用途に応じて使い分けられるよう、表面加工やコーティングを施した多様な製品を提供しています。

ibiTreat

ibiTreat ibidi ポリマーカバースリップ上のヒト初代ケラチノサイト ibiTreat ibidi ポリマーカバースリップ上のヒト初代ケラチノサイト

ibiTreatしたibidi ポリマーカバースリップ上に播種したヒト初代ケラチノサイト

接着細胞の播種を目的とした表面加工

ibiTreatされたibidiポリマーは、接着細胞を培養する際、最も推奨される培養面です。
ibiTreatとは、本来、疎水性が高く、細胞が接着しにくいibidiポリマーに対し、行われる親水化処理です。物理的表面修飾を行い、表面を親水性にすることで細胞接着しやすくしています。

このため、ibiTreatを行った底面では、タンパク質コーティング等を必要とすることなく、ほとんどの接着細胞がその上で良好に増殖・培養できます。強い細胞接着力は、血流をシミュレートするような強い流速を用いるフロー培養でも役立ちます。このibiTreatされたibidiポリマーは、10,000を超える論文に掲載されています。

ノンコーティング

コーティングなどを施し
使用する疎水性底面

ノンコーティングと記載がある表面は、ibiTreatを施していないibidiポリマーが採用されています。疎水性が高く、細胞接着が起こりにくいため、一般的な接着細胞培養には適していません。接着細胞培養では、コーティングして使用してください。非接着性細胞の浮遊培養に適合しますが、厳密に接着を抑制したい場合には、Bioinert表面の使用を推奨します。

Bioinert

浮遊細胞とスフェロイドの培養

Bioinert表面は、ibidi ポリマーに対し、薄いポリオールハイドロゲル層を共有結合させたものです。この加工は、細胞表面との相互作用を阻害し、細胞接着を防ぎます。このため、浮遊細胞やスフェロイドの培養に理想的です。Bioinertされた表面は、一般的な超低接着(ULA)コーティングとは異なり、長時間の実験でも非接着性を維持します。なお、Bioinert加工は、ibidiポリマーの光学性能に干渉せず、顕微鏡観察には影響を与えません。

懸濁細胞とスフェロイドの培養 懸濁細胞とスフェロイドの培養

ガラス

TIRFまたは
超解像顕微鏡観察向け底面

ibidi社製ibidiでは、多くの製品の多くはが、ibidiポリマーだけではなく、ガラス ボトムカバースリップのボトムでも利用が可能です。このガラス ボトムカバースリップは、コラーゲン、フィブロネクチン、ラミニンなど、一般的な(標準的なECM)コーティングと併せても使用できます(コラーゲン、フィブロネクチン、ラミニンなど)に適しています。また、シラン処理、プラズマ処理、化学活性化など、一般的なガラスに対する化学修飾することも可能です。

コーティング:
I型コラーゲン、IV型
コラーゲン、ポリ-L-リジン

Collagen IVでコーティングしたibidiポリマーカバースリップ上のRAT1細胞 Collagen IVでコーティングしたibidiポリマーカバースリップ上のRAT1細胞

Collagen IVでコーティングしたibidi ポリマー カバースリップ上のRAT1細胞

細胞外マトリックスを必要とする接着細胞培養で利用できるコーティングされた表面

ibidi では、ibidi ポリマーに対し、コラーゲンI・IVおよびポリ-L-リジンでコーティングした製品も提供しています。また、3D培養や表面コーティングで使用できる高品質I型コラーゲンも提供しています。

I型コラーゲン

I型コラーゲンは、人体に最もよくみられるコラーゲンです。皮膚や骨など体のさまざまな部位でコラーゲン線維は作られています。このため、I型コラーゲンは、細胞接着促進のための培養容器表面コーティングにしばしば利用されます。また、3D細胞培養で使用するゲルとしても使用されます。ibidiでは、コーティング済ディッシュ・スライドに加え、ラット尾より作られる高品質のコラーゲンI型自体も提供しています

IV型コラーゲン

IV型コラーゲンは、細胞外マトリックス(ECM)にある薄層基底膜の主要構成成分の1つです。IV型コラーゲンコートは、細胞接着・増殖促進を目的で使用されることがあり、上皮細胞、内皮細胞、神経細胞、筋細胞培養などでしばしば使用されます。

ポリ-L-リジン(PLL)

ポリ-L-リジン(PLL)は必須アミノ酸であるL-リジンの、重合体です。このポリマーは、細胞培養で最も使用される接着基質の1つです。多種多様な細胞型で用いられますが、神経細胞培養では特に一般的です。PLLを介した細胞接着は、インテグリン非依存的な機構で行われます。

弾性支持面(ESS)

弾性支持面(ESS) 弾性支持面(ESS)

弾性表面上における接着細胞の培養

生きている組織とin vitro培養では、細胞生育環境は大きく異なります。特に表面の硬さ/弾性の違いは、細胞の増殖、分化、および機能に大きく影響を及ぼします。一般的な細胞培養用プラスティックの弾性率(ヤング率)は~1 GPaです。ガラスのヤング率は約70 GPaです。対照的に、哺乳類の細胞が置かれる一般的な環境は100kPa未満である。したがって、プラスティックシャーレで培養した場合、普段より100,000倍硬い環境に細胞は存在していることになります。

マイクロディッシュ35mm、highESSで採用している elastically surface (ESS)は、細胞や組織と同レベルの弾性培養面を提供します。3種類の異なる硬さを選択できるようになっており、組織で見られる弾性のほとんどをカバーすることができます。

ESS表面は疎水性が高く、細胞接着しにくいため、コラーゲンなど、細胞外マトリックスによるコーティングを施し、使用します。

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