2. 3D細胞培養用
マトリックス

3D細胞培養用
マトリックス

3D細胞培養用マトリックス

現在、細胞を3D環境で培養するために様々なマトリックスが用意されています。それは天然タンパク質から合成されたものまで広範囲に及びます。適切なマトリックスの選択には、使用する細胞の種類や、固有の実験にも強く依存します。コラーゲンやフィブリンのような、高分子網目構造を水で膨潤するハイドロゲルと呼ばれるものがあります。このゲルは、実際の細胞外マトリックス(ECM)にみられるいくつかの特徴を再現しており、3D細胞培養実験の天然マトリックスの代わりとして用いられます。

I型コラーゲンは結合組織の主成分であり、哺乳類の体内に豊富に存在します。繊維状タンパク質は3本のα鎖からなり、これらが結合してロープ状の三重らせんを形成し、ECMに引っ張り強度を与えます。三重らせんは凝集し、自己組織化され原線維を形成します。in vivoでは、線維は重合して線維となり、腱や真皮などの組織を形成します

コラーゲンは細胞外マトリックスをモデル化するための3D細胞培養に広く用いられています(ほとんどの場合I型)。マトリックス中の細胞を埋め込むために、液体ゲルと混合し、容器内にピペットで注入します。pHと温度が上昇すると、コラーゲン原線維の自己集合を伴うゲル化が起こり、細胞がカプセル化されます。

マトリゲル®はコラーゲンとラミニンを含むハイドロゲルで、多くの3D細胞培養アプローチ(オルガノイド培養など)に用いられます。マウスEngelbreth-Holm-Swarm (EHS)肉腫腫瘍に由来し、主にラミニン、IV型コラーゲン、エンタクチンから構成されています。

参考文献 参考文献

各ハイドロゲルの用途、利点、欠点などの詳細な比較は下記論文をご参照ください Caliari SR, Burdick JA (2016) A practical guide to hydrogels for cell culture. Nat Methods 13(5):405–414. 10.1038/nmeth.3839

ibidi Solution

ibidi I型コラーゲン(ラット尾由来)は、ペプシン処理を行っていない天然コラーゲンで、ゲル化したものは、ECMのモデルとして用いられます。重合が速く、3D培養中のゲル内で、細胞分布に偏りを生じにくいのが特徴です。

ibidi I型コラーゲン(ラット尾由来)を用いた3Dゲルの調製法については AN26:3D細胞培養用I型コラーゲンゲルを参照してください。

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