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GC含有率の高いターゲットの増幅に際して、5%のDMSO添加が良いとプロトコルにあります。 これはなぜでしょうか?

DMSOは、シトシンと結合することで、GC間の水素結合を弱める効果があります。

(DMSOを添加すると、水素結合が弱くなるため、Tm値が低下します。 GC含量50%の一般的なプライマーではDMSO添加濃度1%あたり約1℃低下するとされます。)

 

一方、GC含有率が高い配列の増幅では、GCの水素結合に基づく結合力が強いため、テンプレートやプライマーにおいて、GC含有率が高い部位同士が自己アニールし、高次構造をとりやすくなります。

その結果、PCRを行う際に、アニーリングの効率や正確性が低下し、増幅効率の低下や非特異的増幅産物増加などの悪影響が出る場合がございます。

 

PCR反応液に対するDMSO添加は、この問題を解決するために使用されます。

その際の初期添加推奨量が5%となります。

 

※DMSOの添加は必須ではありません。GC含有率が高い配列であっても、問題なく増幅するもございます。

 またアニーリング温度を最適化することのみで改善する場合もございます。

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