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ABI7900HT(ファストモードではない)を使ってPCRします。 反応時間は、95℃20秒から3分(1サイクル)、95℃1から3秒、60℃20秒以上(40サイクル)でよろしいでしょうか。 キット同封のプロトコールの4.3に記載されています。 Denatureの時間が短いので、心配です。ファストモードの時間なのでしょうか。

おっしゃるとおり、こちらのプログラムが初期の推奨条件となりまして、基本的には通常のモードも、ファストモードも共通となっております。 もしも「なるべく反応時間を短時間で終了させたい」というご要望がないようでしたら、Denatureについては、Initial denature 95℃ 3分、サイクル中のdenature 95℃ 3秒で設定していただければ、問題ないかと存じます、ご安心ください。 一方、”60℃20秒以上”についは、結果(増幅効率や非特異増幅の有無)によって、最適化が必要な場合があります。 (詳細) リアルタイムPCRを含めて”PCR”では、initial denatureのステップは、テンプレートとなる長鎖DNAを完全に1本鎖に変性する必要があるため、特にゲノムDNAがテンプレートの場合は、長め(3分間)に設定いただいた方が確実です。 しかし、サイクル中は増幅してきた、より短いPCR産物がテンプレートとなるため、より短いdenatureの時間設定でも、PCR産物を1本鎖に変性させることが可能です。 特にリアルタイムPCRの場合、一般的にはPCR産物が200bp前後と短く設計されるため、比較的短時間で十分に変性いたします。 また、PCR中の反応自体も、「設定した時間」に加え、「その前後の温度が移行している時間帯」にも、実際には反応が進んでいます。  したがいまして、「95℃3秒」で設定した場合でも、実際にはその前後の温度移行中も変性反応は進みます。 ただし、”ファストモード”の場合は、温度の伝達が速いファストブロックを使用するため、通常のブロックの場合と全く同じプログラム設定でも、実際のトータル反応時間は短くなります。(設定前後の温度移行時間帯が短い) これにより、ファストモードのほうがPCRの掛かりが悪くなる場合があります。 (この場合は、設定時間を長くする必要があります。) 本キットの初期推奨条件は、ファストモードに対応しておりますので、通常のモードでは、十分な時間設定となっております。
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