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KAPA HiFi DNA Polymeraseで増幅したフラグメントはTAクローニング可能でしょうか?

大変恐れながら、本酵素で増幅したフラグメントは平滑末端となっておりますため、 そのままではTAクローニングにはご使用いただけません。 大変申し訳ございません。

Kapa社からは、KapaHiFiのPCR産物のTAクローニングの応用には、下記の方法を ご案内させていただいております。また、市販のA-Tailing用キットなどをご使用いただくことも可能です。

●Taqポリメラーゼを使用して平滑末端の増幅産物にAを付加する方法

(1)市販のスピンカラム精製キットでPCR産物を精製します。* KapaHiFi酵素を除去しないと、以下で付加したA末端が再び平滑末端に戻ってしまいます。

* 精製キットは、下記の製品がお勧めです。大幅なコストダウンが可能です。

FastGeneGel抽出/PCR産物精製キット  https://n-genetics.com/products/series/4482/

2)50 μLのA-Tailing反応液を調製します。

10 mM dATP 1 μL *dNTPsではありませんのでご注意ください、Taq polymerase(5U/μL)0.2 μL(1 Unit)、10x反応バッファー 5 μL*終濃度1.5 mMのMgCl2添加を推奨します、(1)で精製したPCR産物 X μL 、PCRグレード蒸留水 Y μL⇒50 μLへメスアップ  

* Taq polymeraseは、以下の製品がお勧めです。

BIO-21040  BioTaq DNA polymerase(500 units)  https://n-genetics.com/products/series/4099/

(ご注意)本製品の場合、10x反応バッファーにMgCl2を含みません。上記の反応組成について、別途、50 mM MgCl2溶液 1.5 μL(終濃度1.5 mM)を 添加してください。

(3)72℃で10分間インキュベートします。

(4)以上で、3’にdA付加された産物を含む反応液が得られます。

<補足> PCRに使用される市販の酵素製品は、大きく分類すると、3タイプに分かれます。

(1)Taq polymerase酵素をベースとした製品

(2)3’-5’エキソヌクレアーゼ活性を持つ正確性が高い酵素をベースとした製品(KapaHiFiなど)

(3)上記(1)と(2)の2種類の酵素の混合した製品(KapaTaqEXtraなど)

3' 末端にAを付加するのは、ほとんどの場合、Taq polymerase酵素が持つターミナル トランスフェラーゼ活性によります。 ですので、通常は(1)と(3)で増幅した産物では、A突出末端の産物が得られます。 本製品は、正確性が高い(2)の酵素をベースとしたエンジニア酵素のため、正確性は高いですが、 ターミナルトランスフェラーゼ活性は持っておりませんので、末端は平滑となります。

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